やや猪首がかった提灯形の豊満で豪壮な朝鮮唐津徳利、慶長末から寛永初年の作で釉景の彩りが圧巻の伝世品
胴は轆轤形成で肩上まで挽かれ、一寸ほどが別ごしらえの継ぎ頸作りで縮緬肌となった小振りの三日月高台を持つ
腰まで鉄釉が塗られ一部は赤く発色し、内ヶ磯窯独特の草色をした緑釉が配され上から内まで藁灰釉を流し掛ける
口は薄作りで少したわみ、釉むらあり釉切れありフリモノありひっつき痕あり、およそ欠点とされるすべてを景色に変える
進取か藩命か茶陶の確立が急がれた古高取は寡作ながら伊賀や南蛮そして織部の風を採り入れたモダンな意匠が多い。

鉄分で赤く黒みを帯びた土はさっくりとよく焼き締まり、慣らしのないごつごつと野趣ある肌合いをしています
口の内径は小指が一本入るほど、水の出も切れも如意、経年の擦れとくすみや減りのほか大疵なく細工も直しもありません
容量は３００ｃｃ（一合六勺ほど）胴の丸みがすんなり掌に収まり、古唐津本来の薄作りが奏功して手取りも楽々です。

高さ １２．６ｃｍ 胴径（最大） ８．５ｃｍ 外口径 ３．７ｃｍ 重さ ３０１ｇ 時代桐箱付

＊ 画像はありのまま自然光だけでの撮影、お好きな方のお目に留まれば幸いです。（古木台は参考品）

◎ ご落札後に必ず速やかな